発達障害、中でもASDの人は、光を目がつぶれるほどまぶしいと感じたり、シャワーが痛くて浴びるのを嫌がるなど、刺激を強く感じたりすることが多い。

 これらは『感覚過敏』といわれる症状で、五感から届く感覚の情報に脳が過敏に反応してしまうもの。感知する皮膚や眼球に異常はないが、反応があまりに激しいので本人はつらい。発達障害がなくても感覚が過敏な人もいて、発達障害に併発しやすい別の問題とも考えられている。

 精神科ナースや医師たちによるプロジェクト『ぷるすあるは』のスタッフで精神科ナースの細尾ちあきさんは、自身も視覚や触覚、嗅覚などにさまざまな感覚過敏をもっている。

「子どものころからいつもまぶしがっていました。晴れた日は輪郭がよく見えずサングラスが必須。触覚過敏もあって、長時間かけていると、メガネが当たる鼻の上と耳の後ろがちぎれそうなほど痛くなります」(細尾さん)

視覚過敏のあるちあきさんの視界。左がちあきさんが見ている世界、右はサングラスを着用したときの視界イメージ。屋外でこのレベルなので、スキー場のゲレンデなどはゴーグルなしではありえないまぶしさに

 乳幼児なら、感覚統合療法という治療によって、脳の成長とともに刺激をやわらげることはできるそう。

 一方、大人はできるだけ苦しみを軽減するために、自分で工夫するしかないのが実情だ。

 また反対に、感覚が極端に鈍い『感覚鈍麻』の人もいる。問題を感じないから支援を訴える人も少ないが、触感の鈍麻は大ケガにつながるケースもありうるので、さらに注意が必要。

「気づかないうちにヤケドを負ったり、ケガをしていたりしたら疑ってみて。感覚の問題はようやく支援の対象となったばかりで、これからの課題です」(細尾さん)