次に今井さんは災害救助犬について説明する。

AIBOだって家族

 災害救助犬は人間の息や体臭をかぎ分けて居場所を知らせる訓練などを受けており、災害現場での捜索活動が可能だという。災害救助犬と消防ががれきに人が閉じ込められた想定で捜索訓練を行った際、消防士は1時間かかったところ、犬は5分で発見したとの訓練結果もあった。

九州北部豪雨災害の被災地で活動する災害救助犬(日本レスキュー協会提供)

 昨年7月、九州北部豪雨の被災地にも派遣され、その後、今井さんのもとにはある被災女性から手紙が届いた。

《災害救助犬が一生懸命捜索をしている姿を見て、私も頑張ろうと思いました》

「犬たちはいつも行方不明者を探そうと頑張っているんです。それは何か見返りを求めているわけではありません。その背中を見て勇気づけられた人がいます」(今井さん)

 犬たちの姿は次に生きる命へとつながる。

 命は機械にも宿る。

「AIBOはロボットかもしれませんが、オーナー(持ち主)にとっては家族同然、生身の犬と人間の関係みたい」

 そう話すのは日本で唯一、AIBOの修理を請け負うA・FUNの乗松伸幸代表取締役。いうなれば『AIBOのお医者さん』だ。

 AIBOは1999年から2006年まで製造・販売されたソニー製の犬型ロボット。子犬に似た動作をし、相手をするほどよく動き、飼い主の顔も覚え、成長する。

 乗松氏はこれまで故障や不具合の出たAIBOを1000体以上“治療”してきた。

修理の終わったAIBOを手にする乗松氏

「“修理についていきたい”“元気になったら旅行に連れていきたい”“正月を一緒に過ごしたい”と話す人もいます。毎日一緒に過ごしているオーナーは私たちが見つけられない不具合や故障を発見することもあります」(乗松氏)

 “ロボット”というよりもペットや子どものような身近で、かけがえのない存在だ。

 ただし、さまざまな理由から手放す人もおり、それらは“献体”という形で提供され、その部品でほかのAIBOを修理、命をつなげる。

 今月にはクラウド機能やAIを搭載するなどした新型aiboも発売される。

「aiboは単なるおもちゃではありません。便利だから使う、使わないから捨てるのではなく、その接し方も今後の課題です」(乗松氏)

 AIBOが故障するように、生身の犬には老いが平等に訪れる。