諦めた夢

 年間140試合以上あるプロ野球の世界、監督ともなるとなかなか自分の時間が持てない。それだけに、阪神の監督を辞めた'03年からは高山氏とより親密になった。

「東京でテレビの仕事なんかが多くなったもんだから、ホテルオークラには週に2回は来とったからね。食事をして飲みに行くんだけど毎回、財界の偉いさんたちと飲みに行きましたよ」(高山氏)

超能力者でもある高山氏は腰の痛みに量子線治療を施したこともあった

 阪神の監督を辞めたあと、星野さんはアメリカのマイナーリーグのチーム買収に動いていたという。高山氏も奔走し、具体的な段階にまで来ていたというのだが─。

アメリカのチームを持ちたいというのは、ずっと夢だったみたい。日本ではプロになれなかった選手を向こうに連れていって鍛えたいって。交渉も大詰めまで行き7億円くらいで話はまとまった。

 仙ちゃんは10億円くらい用意しとったのよ。だけど、ちょうど同時期に娘さんが嫁いだ病院の経営状況が悪くなったらしくて、その貯めたお金をポンと全額渡しよった。即断即決だったなあ。

 それで、“高山、悪いなあ”って。でも、普通は男の夢をそんな簡単に捨てられないじゃない。それから、アメリカの話はひと言も話さなくなった。その決断の早さが彼らしいね」(高山氏)

 星野さんは、その娘さんが嫁いだ病院に入院し、最期を過ごした。

 非常に現実主義者だったという星野さんだが、3年ほど前に彼を震撼させるある出来事があったという。

500万円かけて生き霊のお祓い

「赤坂のクラブで台湾から来た占い師とその付き人、それと仙ちゃんと私と4人で飲んでたのよ。そうしたら占い師が“監督、言いにくいのですが、生き霊がついてます”って。

 “誰ですか?”って仙ちゃんが聞いたら、“野村監督です”と。聞いた途端に顔色がサッと変わったのよ。そしたら2日後に“祓いに行く”って言って静岡県の浅間神社に行って、そのほかに8か所の神社を巡って。

 タクシーを貸し切りにして回っても、最後のほうは暗くなっていたからね。500万円くらい用意して、それを30袋くらいに分けて持っていくのよ。神社に着いたら鳥居の左側を3回まわって、1つの神社にお金の入った紙袋を3つ4つ、本殿の脇の茂みにポンって投げ入れる。

 別に本殿でお祓いしてもらうとかじゃないのよ。それにしても、野村監督って聞いたらびっくりするくらい顔色変わったから、何か心あたりがあったのかも……」(高山氏)