苫米地英人

「“お金持ち脳”になるためには、どうすればいいの?」そんな疑問に、認知科学者・苫米地英人博士が緊急提言。お金持ちになるための考え方と、その第一歩を教えてもらいました。

その発想ではお金が逃げていきますよ

 まず、お金を“貯めている”人はお金持ちになれません。お金というのは道具です。それ自体ではただの紙切れでしかない。新しい健康グッズを買ったのに押し入れにしまったままでは効果は生まれないですよね。あの紙切れを「貴重なもの」と考えている限り、お金持ちにはなれません。

 みなさんの中には、お金持ちの人=成功者だと思っている方も多いと思います。ですが、この発想は非常にアメリカ的な発想です。アメリカは歴史も浅く、人種もたくさんいますから、公平な尺度としてお金を豊かさの基準値にしている。そのため“アメリカンドリーム”などの言葉が生まれ、われわれも超お金持ちの人を想像するわけです。

 いつしかその考え方が日本にも根づき「お金持ちになるには成功しなければいけない」という強迫観念めいたものになっています。でも、お金持ちになるために成功を目指すっておかしくないですか? 順番が逆転していますよね。成功したから、たまたまお金持ちになっているんです。ですから、お金ではなく成功を目的とする考え方をしてください。

 本来、リッチという言葉に“お金を持つ”という意味はありません。リッチの意味は、“豊かな”という意味です。つまり、どうすれば豊かになれるか? その点を意識して行動すれば、お金持ち脳に近づいていきますよ。

 実務的なアドバイスをするなら、手持ちのお金は「当座の蓄え」とその他で分けて管理すること。まず、ひと月の全支出額を計算する。そして家族がいる人は1年分、ひとり暮らしの人なら半年分の金額を「当座の蓄え」として、別の銀行の普通口座に預けておく。

 万が一の場合すぐ引き出せるお金を用意しておくことで、脳が安心し、いろいろな可能性を探ろうとします。副業としてクリエイティブな活動をしてもいいし、趣味にお金を投じてもいい。余裕のある状況を作り出すことで、お金のために行動しない自分を作り上げることができる。お金とは自分や環境を豊かにしていくための道具です。それを忘れないでくださいね。

 お金はそれ自体では「ただの紙切れ」。家計は「当座の蓄え」とその他を分けるべし!


<プロフィール>
苫米地英人(とまべち・ひでと)◎1959年、東京都生まれ。認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)、カーネギーメロン大学博士。著書多数。情報バラエティー番組「バラいろダンディ」(TOKYO MX)の木曜日にレギュラー出演中。