2015年4月、還暦を迎えた頃の西城秀樹さん(本誌のグラビア撮影で 撮影/廣瀬靖士)

 歌手の西城秀樹さんが5月16日に急性心不全のため、63歳で亡くなった。

 3年前、「ヒデキ!還暦」と笑顔を見せ、「子どもが二十歳(はたち)になるまでは絶対生きる!」と前向きに語っていた西城さん。4月25日に家族と一緒にいた時に意識を失い倒れて、横浜市内の病院に救急搬送。急性心不全で心肺停止状態だったというが、その後も意識は戻らず、美紀夫人と3人の子どもたちに看取られ息を引き取った。

18歳年下で、当時OLだった美紀さんとはお酒や食べ物の好みが一緒ということもあって意気投合したそうです。『よかったらついてきてくれ』と45歳の時にプロポーズ、婚約期間を経て2001年に結婚しました。料理上手の美紀さんの手料理で二人で晩酌するのが何よりも楽しみだったそうです」(親しい芸能関係者)

 02年には長女が誕生し、翌年に長男、04年には次男と1女2男にめぐまれたが、03年に最初の脳梗塞を発症、11年には2度目の脳梗塞が西城さんを襲った。

2度目の脳梗塞で身体に麻痺が残っても、『ありのままを見せるんだ、ありのままの自分を見せたい』と、過酷なリハビリを続けていました。さらに最後まで歌うことにこだわり続け、ボイストレーニングにも励んでいました」(スポーツ紙記者)

 若い頃はワインを毎晩2本空けるほどのワイン好きだった西城さんは、55歳の記念に限定で「ベジタブルワンダフルワイン」を作り、友人たちにプレゼントした。

「『ベジタブルワンダフル』は、彼が2009年からレギュラー出演し、農作業に初挑戦した『趣味の園芸 やさいの時間』(NHK教育=現在のEテレ)のテーマソングでした。マイクを鍬(くわ)に持ち替え、園芸の素晴らしさを伝えながら食の安全を考えるという番組で、子どもたちが野菜好きになるようにと歌詞にも野菜の名前がたくさん入っているんです。ワインのエチケットにも鍬や農業グッズなどのかわいいイラストと一緒に、西城さんがスコップを持って耕す姿がカラフルに描かれていて、彼の遊び心とやさしさが詰まっていました」(音楽関係者)

 脳梗塞の発症前と変わらない生活をすること自体がリハビリだと、積極的に外食や買い物に出かけ、子どもたちとカラオケを歌うこともあった。

「自分の経験からリハビリにも使えるウォーキングシューズを監修したり、自分のありのままの姿を見せることで、闘病している方が少しでも元気になってくれればと、どんな時も前向きに生きていました。子どもたちが生まれた年のワインを大事にしていて、『二十歳になった時にみんなで飲もう』と楽しみにしていたのに……」(前出の芸能関係者)

 子どもたちに元気な姿を、そして、もう一度ステージに立って歌いたい……西城さんの願いは潰(つい)えたが、その歌は永遠に心に刻まれる。

<取材・文/小窪誠子>