グラウンドでは選手が自主練習中

 2018年度シーズン終了まで公式試合の出場停止処分が科せられた日大フェニックス。内田正人前監督、井上奨前コーチが永久追放になった一方、部員は今も、東京・中野区にある同部学生寮で、学生生活を送っている。

 出入りする部員は一様に、「声明文に書いてあるとおりです。(何も)お答えできません」と口を閉ざすが、記者に怒鳴ったり、逃げたりはしない。

 寮から自転車で外出する部員を記者が息を切らしながら走って追いかけると、「答えられません」とキチンと応答する。

「最後にもうひとつだけ確認させて」と呼びかけると自転車の速度を落として耳を傾けてくれた。大柄な選手にたじろぐこともあったが、「お疲れさまです」と、こちらを気遣うのを忘れない青年らだった。

アメフトができなくて苦しい

 スーツ姿で、就職活動に直面している4年生の姿も見かけた。一般企業に就職する学生もいれば、社会人リーグ『Xリーグ』に所属する企業を目指す学生もいる。

「アメフト部じゃなくても、アメフト部の話を聞かれます。いい気分はしないですよね」

 と就活中の同大4年生。

「入社してからも“あの日大ね”みたいな感じで見られるのはつらいですよね」

 と同大関係者は同情する。

 忸怩(じくじ)たる思いを胸に閉じ込め、目標のない練習に汗をかく選手。彼らの思いを同大2年の男子学生は、

「仲のいいアメフト部のやつは“チーム練習もできないし、アメフトができなくて苦しい。でも今は耐えるしかないのかな”って話していました」