昨年11月、職場のイベントで撮影された勇一郎容疑者(読者提供)

亡くなった子を見たことはあるよ。水色の自転車に乗ってね、楽しそうに友達と走ってたんだよ。何で覚えているかというと、その自転車がその後ずっとカギをかけられて放置されているからさ。

 自転車に乗っていたのは昨年の夏。それ以来ずっと自転車はカギをかけられたままさ」

 事件現場となったアパートの向かい側に住む男性(72)は、あの自転車、と指をさしながらそう振り返った。

24日午後11時08分、容疑者本人からの110番

ディズニーキャラクターが描かれた心愛さんの自転車。カギは固くさびついていた

 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さん(10)が自宅で死亡、傷害容疑で父親の勇一郎容疑者(41)が千葉県警野田署に逮捕された虐待事件。

「木曜日(1月24日)の深夜0時近くにパトカーと救急車がうるさくて、玄関を開けてみたら(容疑者が)連行されるところでね。顔が真っ白だったのを覚えています。うなだれていて、青白いを通り越して真っ白な顔だった」

 と同じアパートの男性住人。

「丁寧でしっかりした人という印象しかありません。虐待とは真逆のイメージです」

 と続けた。

 心愛さんは容疑者と母親(31)、妹(1)の4人暮らし。勇一郎容疑者の態度は家の中では一変。暴力で家族を支配していたのである。

 事件発覚の経緯を捜査関係者が明かす。

「24日午後11時08分、容疑者本人から110番がありました。『10歳の娘を風呂場に連れて行ってもみ合いになり、静かになり、呼吸がない』との通報でした。心愛さんは心肺停止状態で、あご付近に軽い死後硬直が始まっていた」

 冷水を浴びせられたためスウェット上下は濡れていて、はだし。髪の毛があちこちにちらばり、Tシャツに隠れた身体には、古いあざのようなものが複数確認されたが、

「死因に至るような大きなケガ、外傷はありませんでした。病死以外の何らかの原因で死亡したものと判断しています」(前出・捜査関係者)