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 食品横流し問題で一因と言われた「食品ロス」。日本では、食べられるのに捨てられている「食品ロス」は年間642万トンで、そのうち約半数が家庭からの廃棄です。安売りや特売で買いだめしたり最後まで使いきれずに捨ててしまったり……“もったいない”をもう1度、見直してみませんか?

「すでに貼られている見切り品の値引きシールにメッセージをつけることで、イメージや意味が変わるだけでなく、食糧廃棄を減らすアクションにできないか、と思って企画しました」

 そう語るのは、大手広告代理店、博報堂の吉田裕美さん。

 同社では、生活者、企業、行政、生産者、NPO、学識者による『フードロス・チャレンジ・プロジェクト』を3年前に立ち上げた。食品ロスについて話し合いを続ける中で、生活者向けの活動として“つれてって! それ、フードレスキュー”を企画した。

 スーパーやコンビニで、買い方を工夫することで、まだ食べられるのに捨てられる食品を、少しでも減らそうとする取り組みだ。

「廃棄されるフードロスの半数近くが家庭からというのに驚きました。そうした現状に、家庭からできることはいっぱいあって、そのひとつが買い方。スーパーやコンビニで、賞味期限間近の商品を買ったりするのは恥ずかしいと思っていたことが、実はポジティブでスマート、エコにもなるアクション」(吉田さん)

 というメッセージを込めた“フードレスキュー”をPRするためのキャラクターを考案し、シールにした。

 シール以外にもポスターや動画、歌を作成。それらを使った第1弾の店頭イベントを今年2月、イオン葛西店(東京・江戸川区)で開催し、新聞やテレビで取り上げられ、反響を呼んだ。

 その際に実施した買い物客へのアンケートでは、「わかりやすい」「お得に買えて、いいこともできる」など、おおむね好評。店頭では、子どもがキャラクターに興味を示し、「ママ、つれてって、と言っているよ」、売り場の従業員は買い物客に「(商品を)レスキューしてあげてください」と声をかける光景があったという。

「家庭もスーパーも食糧廃棄の場になっているが、フードレスキューの活動が、今後、全国に広がって、少しでも廃棄を減らすきっかけになればいいと思います」(吉田さん)

 ヤフーのネットオークションサイト『ヤフオク!』に、今年2月から社会貢献型ショッピングサイト『KURADASHI.jp』(グラウクス株式会社)が出店し、販売を開始した。

 『ヤフオク!』では、中古品のリユース(再利用)を啓発する活動『REUSE JAPAN PROJECT(リユース・ジャパン・プロジェクト)』を推進。そのなかで、“食のリユース”として『KURA─』に注目。昨年、テストケースを行い、好評だったこともあって、出店が実現した。

 さらに、食品ロスを啓発する特設ページをオープン。

 『KURADASHI.jp』が出品している商品を落札すると、1落札あたり50円(税別)が Yahoo!基金に寄付され、災害被災者および災害被災地への支援に利用される。

「出店してもらったことで、より多くの人に、プロジェクトの取り組みを知っていただき、体験していただく機会が拡大することが狙いです。食品ロスを減らし、社会貢献もできるので、売り切れになる商品も多く、非常に好評です」(『ヤフオク!』の担当者)

 『KURADASHI.jp』は、2014年よりサービスを開始した。季節商品や、製造から一定期間を過ぎて賞味期限内でも売りにくくなった商品を、メーカーから特別価格で提供してもらい、手ごろな値段で販売。購入代金の一部は社会貢献活動団体に寄付される。