中村隼人 撮影/森田晃博

 若手で今いちばん色気のある歌舞伎役者のひとり、中村隼人(23)。彼のおかげで、観客に若い女性がグンと増えたとか。

歌舞伎が病気の壁も越えた――この経験が役者を続ける原動力

「昨年、出演した『ワンピース歌舞伎』。僕はそこで“歌舞伎役者であること”に最も誇りに感じた経験をしました」

 ある日、中村隼人に届いた40代の女性からのファンレター。

「彼女のお父さんは、前日のことをすべて忘れてしまうほどの重度の認知症。でも僕が演じた“本水”(舞台に本物の滝をなす)の立ち回りのことだけは、翌日になっても“あの水はすごかったね”と覚えてくれていたそうです。その感謝を伝えるお手紙でした。

 歌舞伎って、病気の壁も越えられるほどの力があると実感しました。これほど役者冥利(みょうり)に尽きることはほかにないですね」

 5月に出演する『明治座 五月花形歌舞伎』にも、インパクトのある演出があるという。

「赤と白の長い毛を振り回す“三人連獅子”は迫力満点! 歌舞伎の醍醐味(だいごみ)をたっぷり感じられるはずです。おすすめの演目は、『月形半平太』。幕末のお話なので、言葉もわかりやすく初心者の方でも楽しめますよ」

 人の心に深く残る歌舞伎役者を目指す中村隼人。1度、会いに行ってみては?


<プロフィール>
中村隼人◎二代目中村錦之助の長男。屋号・萬屋。’02年、二月歌舞伎『寺子屋』の松王丸一子小太郎で初代中村隼人を名乗り、初舞台を踏む。

<公演情報>
中村隼人が出演!
『明治座 五月花形歌舞伎』
5月3日(水・祝)~27日(土)