ぽっちゃり体型ながらもおしゃれな着こなしで人気を集め、近ごろはファッショニスタとしての呼び声が高い、芸人の渡辺直美。’14年にはファッションブランド『PUNYUS』を起ち上げ、6Lまでの豊富なサイズ展開と、目玉焼き柄など、他では類を見ない個性的なデザインが若い女性を中心に受け、ファッション・プロデューサーとしても成功をおさめている。

 7月からは、パワフルな性格のデザイナー役がピッタリと、TBS系連続ドラマ『カンナさーん!』の主演に抜てき。いろんなおしゃれを楽しめるのも見どころのひとつで、今や渡辺直美とファッションが切り離せない関係にあることは確か。

 そこで今回は、渡辺のデビュー当初からの専属スタイリストで、“直美ファッション”のキーパーソンである大瀧彩乃さんに、現在のスタイルを確立するまでにどんな紆余(うよ)曲折があったのか、日ごろのスタイリングはどこにポイントを置いているかなどをインタビュー。そこから見えてきた、ぽっちゃり女子でもおしゃれに見える法則とは――。

左からスタイリストの大瀧彩乃さん、渡辺直美

昔の直美は、自分のサイズすら知らなかった!

――まずは、直美さんを担当されることになったいきさつを教えてください。

実は、柳原可奈子さんがきっかけなんです。私は直美ちゃんの専属スタイリストになる前から、可奈子ちゃんを担当させてもらっていて。女芸人さんにはわりとめずらしい、女性らしいスタイリングを心がけていたんですね。それを見た直美ちゃんが、“柳原さんみたく派手にかわいくしてほしい”ということで、オファーしてくれたんです

――出会ったころの直美さんは、すでにおしゃれに長けていたのですか?

あのころの直美ちゃんは“服は入ればいい”という感じでした。自分のサイズも把握していなかったので、まずはそこを見直すところから始めて。そのうえで、おしゃれの幅を広げるためにいろんなスタイルを提案しました。森ガールみたいなときもあれば、トラッド風の格好なんかもしてもらったり。直美ちゃんもそれを楽しんでくれて、次第に気に入ったテイストを私服に取りいれるようになりました」

――サイズを教えるところから始めたとは、驚きました!

これは直美ちゃんに限った話ではないんです。ぽっちゃり体型の子は試着を嫌がって、オーバーサイズを選びがち。だけど、ダボダボしていると余計に身体を大きく見せてしまうし、スタイルアップには全身にメリハリをつけることがなによりも大切なんです。そんな話を直美ちゃんにしたところ、上下のフィット感に差をつけた“ゆるピタ”コーデや、“出すところは出す”というスタイルを私服でもするようになり、メキメキとおしゃれの腕を上げていきました。とはいえ、いまだに試着はしてないみたいですが……(笑)

直美にとって衣装選びは、仕事スイッチが入る瞬間

――2013年になると、直美さんはそれまでの金髪から、現在のスタイルにつながる黒髪へとチェンジ。ファッションも、パンチのあるかっこいい系へとシフトします。これは、大瀧さんが何かアドバイスをされたのでしょうか?

私やまわりの意見ではなく、ご本人の意思で変えました。直美ちゃんはニューヨークに行ったあとくらいから、ファッションやメイクをものすごく熱心に研究するようになって。もともとメイクは自分でしていたものの、ファッションに関しても積極的に海外の流行っているブランドなどを調べて、私に教えてくれるようになりました」

(左)’12年9月に『』が取材したときの1枚。この日は私服撮影だったが、当時、仕事で帽子をかぶるコーデをよくしていたので、私服でも取り入れていたそう。(右)'13年12月にはヘアスタイルの変化に合わせて、ファッションも“かっこいい”系にシフト。大瀧さんのスタイリング

――具体的に、衣装は毎回どうやって決めているのですか?

「直美ちゃんがくれたファッション情報にプラスして、最近どんな音楽を聞いているのか、どんなアーティストに興味を持っているのかなどをヒントに、“今の直美ちゃんはこんな気分かな”と考えて、5~6着用意します。その中から、直美ちゃんが当日着たい服を選ぶという流れですね。イベントなどに呼ばれた場合、その内容に合わせて衣装デザインを私が手がけ、一から作ることもあります」

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――サイズが特殊ということで、コーディネートにはやはり時間がかかりますか?

服を借りられるお店が少ないので、普通サイズのスタイリングをするときよりも1.5倍くらいはかかります。だけど、直美ちゃんは何を着せても似合うので、選ぶのがとても楽しくて気になりません。それに、彼女にとって衣装選びの時間は、仕事スイッチが入る時間でもあるそうなので、大切な役を任せてもらっていることをうれしく思います」

――最後に、ぽっちゃり女子がおしゃれに見えるファッションポイントを教えてください。

太い部分は隠しても、身体のなかで比較的細い部分は思い切って出しましょう! 全身にメリハリが生まれて、スタイルアップにつながります。実際に、直美ちゃんだと顔が小さいので首まわりはスッキリさせ、可奈子ちゃんは女子アナなみに足が細いと定評があるので(笑)、そこはなるべく出すようにしています。自分の身体をチェックしてみてください」


<プロフィール>
大瀧彩乃(おおたき・あやの)
神奈川県出身の現在35歳。’99年にアイドルグループ『チェキッ娘』の一員として芸能界デビュー。グループ解散後、’00年に芸能界を引退し、’02年からテレビ業界向けのスタイリング会社へ入社。’06年に会社内でスタイリストに昇格すると、柳原可奈子、渡辺直美の専属スタイリストに。体型をカバーしつつも、タレントの個性を引き出すスタイリングが話題を呼び、“ぽっちゃりさんの気持ちがわかるスタイリスト”と呼ばれるように。’13年に事務所を離れフリーとなり、渡辺と柳原のほか、横澤夏子、福田萌など、現在は11組のタレントを抱える。

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