妻がエロティックな下着を身につける作戦はセックスレスを悪化させる!?

夫婦のフェアなルールに隠されたアンフェアな落とし穴

 一夫一妻制を前提とするならば、夫婦は相互に、この世で唯一セックスをすることが許されているパートナーです。この世に約70億人の人間が生きていて、その半分に当たる約35億人の異性がいたとしても、セックスの相手となるのはこの世にたった一人しかいないのです。裏を返せば、夫婦は相互に、相手の人生からセックスを奪う力をもっています。

「二人で協議して二人とも納得したうえで決断する」という“フェア”なルールを掲げている夫婦も多いかと思いますが、実はこのルールには“アンフェア”な落とし穴があります。

「何かをする・しない」を、二人で協議して決断しようとするとき、一方が「する」を選び、一方が「しない」を選択したとします。二人の意見の重みは平等です。だとするといつまでも決断ができません。ということは実質的に「しない」の選択が実行され続けることになります。この場合、結果的に「しない」を選んでいるほうが、実は主導権を握っているのです。

 同様に、セックスをするかしないかはお互いの自由です。夫婦それぞれに「セックスをしない自由」があるのは当然です。意見の重みは平等であるはずです。逆に「自分の決断に相手を従わせる権利」はどちらにもありません。相手にセックスを強要することができないのと同時に、セックスを求める相手にセックスのない生活を強要することもできません。

 ジレンマです。自分の選択を主張することは自由です。しかしその選択に相手を従わせることは許されません。ですから、「する・しない」の決断をする際、「しない」を選んでいるほうは、自分が優位な立場にあることを自覚して、相手以上に真摯(しんし)に議論に向き合い、相手の意見を理解するように努めるべきです。それで初めて対等な立場ということになります。

目指せ! “オキシトシン・リッチ”なカップル

 愛し合っている二人がセックスをすると、男女ともに、オキシトシンというホルモンが大量に分泌することがわかっています。オキシトシンは「愛情ホルモン」「抱擁ホルモン」などとも呼ばれ、人間同士の親密性を増幅させ、幸福感をもたらすといわれています。愛情や信頼を維持するために重要なホルモンです。ストレスを緩和する作用もあるといわれています。逆に好きでもない相手とするセックスではオキシトシンはあまり分泌されません。

 実はちょっとしたスキンシップでも、オキシトシンは分泌されます。オキシトシンが分泌されることで、相手への愛情がさらに深まると、軽度なスキンシップでもさらに大量のオキシトシンが分泌されるようになります。要するに、スキンシップは、とればとるほどとりたくなり、とらなければとらないほどとりたくなくなるものだということができます。

「もう何年もセックスをしていないけれど、夫婦どちらにも不満はない。お互いに愛している」というカップルもときどきいますよね。しかし、そういうカップルによくよく話を聞いてみると、いわゆる生物的な意味でのセックスという行為はしていないものの、普段からよく会話し、ハグをしたり、キスをしたりという軽いスキンシップはむしろたくさんとっていることがわかります。

 一回のセックスで得られるスキンシップの量を100ポイントとした場合、ハグなら10ポイント、キスなら20ポイントくらいでしょうか。すれ違いざまにちょっと肩を触るくらいなら5ポイント、腰を触るなら10ポイントくらいでしょうか。そうやって、小さなスキンシップを重ねることで、セックス1回分以上のふれあいを、彼らは継続的に実感しているのかもしれません。

 セックスレスの期間が長引き、「今さらどうやって関係をつくり直せばいいんだろう」「恥ずかしくって今さらセックスに誘うなんて無理」という状態にまで行ってしまった夫婦もいるかもしれません。一度そうなってしまったら、いきなり無理してセックスをしてもただのストレス。そんな場合は、小さなスキンシップから積み重ねていき、徐々にオキシトシン分泌を復活させましょう。