『LEON』の15周年特別記念号(11月号)の厚さは2cm、重さは1.5kg、定価は980円

 “ちょい不良(ワル)オヤジ”のキャッチコピーで話題になった、雑誌『LEON』が今年で創刊15周年を迎え、12月1日、大阪にてシークレットパーティーを開く。インターネットの普及と反比例するかのように縮小を続け、名だたる雑誌の休刊も相次ぐ日本の出版業界。『LEON』はそんな厳しい状況のなかでも、未だ堅調な広告出稿に支えられている人気雑誌のひとつだ。

「15年ものあいだ『LEON』が安定したビジネスを展開できた理由のひとつとして、確たる年齢によるターゲティングをしてこなかったことがあげられると思います。40~50代はもちろん、20代や70代の読者もいます。年齢に関係なく、“いいオンナにモテたい”という男の煩悩、欲望に片っ端から応えていくことのできる雑誌でありたいと思っているので」

 こう語るのは『LEON』の前田陽一郎編集長。

 そうした方針が功を奏したのか、15年にわたり多くの読者に支えられている『LEON』。だが、日本の雑誌全体の置かれている状況に目を向けてみたとき、その将来には暗雲が漂い始めており、『LEON』もまた例外ではないという。

「『LEON』は広告が単なる収入源としてだけではなく、記事としても楽しめる、いわば広告偏重の雑誌です。ところが、海外のラグジュアリーブランドの広告出稿は、WEBにどんどんシフトしています。プリントメディアに価値を見出しているのは、今や日本くらいとも言われています。もちろん『LEON』も例外ではありません」

 こうした状況を受け、従来の紙媒体と並行し、WEBを中心としたデジタルコンテンツビジネスにもチャレンジすることに。

「まずは、現在は編集者のブログが中心になっている『Web LEON』を大幅リニューアルする予定です」

 多くのWEBメディアが林立するなか、『Web LEON』をリニューアルするにあたり、どのように独自性を打ち出していこうと考えているのか。まず、私たちが現在生きている時代を前田編集長は次のように読む。

これからは“目的”の時代

「ポケモンGOのように突発的な流行はあるものの、全員が同じものを消費して、同じ方向に向かっていくという、一体感のなかにある流行は、もう発生しづらいですよね。ファッションにおいても、新しい洋服が出ました、トレンディな自分になるためにその洋服を消費しなきゃという時代では最早ありません」

 では、これからはどのような時代なのか。

「これからは“目的”の時代だと思います。そして、その目的のための解決策を提示してあげる、キュレートすることこそがメディアの役割なのではないでしょうか。個人であっても、キュレートすることができれば、その人がメディアになっていく可能性もあるわけです。読者の目的にコミットできるメディアが残っていくと思います」

 そこで問題となるのは、何を目的とするかだ。

「たとえば『LEON』でいえば、オシャレよりも、美味しいよりも、モテることが何より大事な目的。だから“モテ”というフィルターを通して世の中を見て、役に立つ情報を提示する。もちろん、人によってモテたい相手は異なります。奥さん、娘、あるいは会社の後輩かもしれない。だけど、カッコいい旦那、カッコいいパパ、カッコいい先輩でありたいというのは、どんな男性だって、大なり小なり描く願望ですよね」

 “目的”である“モテ”というフィルターを通すことの重要性。それはたとえ時事ネタであっても然り、すべてはモテに繋がっているという。

「時事ネタもある目的があれば、当然有力なひとつのコンテンツを担っていくと思います。たとえば、いきなり京都議定書の矛盾やパリ協定とかを持ち出したらモテないかもしれないけど、火山活動のあった西之島に棲みついたアホウドリの話をして、そこから環境問題に話を広げてみる。そのほうがモテに繋がるかもしれない。

 ファッション雑誌=オシャレ、というイメージがあるけど、オシャレ=モテる、にはならない。過度にオシャレな人ってモテないですよ。だって最新のモードに身を包んでいたって、それはただのファッションマニアでしかないですからね。だけど『LEON』の読者はモテます(笑い)。ある会社経営者に、“『LEON』には、おねーちゃんと話すときのネタが詰まっている”と言われましたが、それこそ、『LEON』の本懐ですね」

 時代に即応した新たなチャレンジを試みようとしている『LEON』。実は、現在の『LEON』の表紙に“オヤジ”の文字はあるが、“ちょい不良(ワル)”の文字が消えて何年も経つ。

「“ちょい不良(ワル)”は消費尽くされましたから。新しい『Web LEON』では、“オヤジ”の文字もなくなるかもしれませんよ(笑い)。まだ具体的には言えませんが、仕掛けはいろいろと考えています。ただ、『LEON』がやるならやはり“目的=モテる”という図式に尽きます。『LEON』がやることには、そのフィルターが常にかかっている。それは自信を持って言えます」

*LEON創刊15周年記念パーティー「サロン ド レオン」
【日時】12月1日(木)18:00集合【場所】大阪某所
詳細は公式サイトで